症状別症例

「首・肩」

・症例① <首のコリ> (33才・女性・事務)

 

首と肩こりで来院されました。特に首こりがつらいという事で姿勢を見ると顔が前に少し出た

状態でしたので、顔を上げて天井を見てもらうと、顎が45°くらいの方向を向いています。

健康な状態ですと90°、首から顎が一直線に天井を向きますので、半分くらいです。

首の付け根を触診すると関節の動きが悪く、その周辺の筋肉等も硬くなりボコッと膨らんで見える状態です。頭の重心が前に出ているので頭の重みを支えるうちに首の付け根が固まって、可動域が少なくなっています。その為、頭から首の上の筋肉を使って頭を支えたり、顔を動かしている事で頭と首の境目の筋肉が常にオーバーワークになって首のコリがツラくなっている状態です。

⇒施術・・足から全身の筋肉を最初に緩めながら体の状態も細かく確認していきます。骨盤や腰にも若干の歪みはありましたが、背中の肩甲骨のラインを境目に体の緊張具合が全然違いました。頭から肩甲骨や背中の胸椎にも筋肉が繋がっていますので、今回は背中から頭にかけて重点的に筋肉・筋膜を緩和させていきました。もちろん腕も影響が相互にあるので緩めていきます。

肩甲骨も可動域が減少してますので、広げていきます。背骨も左に傾き、右にねじれていますので、アクティベーターで歪みを矯正していきます。さきほどの首の付け根の関節は上に固まった状態でしたので、顔を上に向ける事が出来るように矯正します。その後、仰向けになっていただき、首の筋肉を緩めていきます。特に上部頸椎は筋肉の緊張も強く関節の歪みも強く出ています。関節の歪んで硬くなっている所は触ると筋肉のコリとはまた違う痛みを感じます。アクティベーターで矯正して同じ個所を再度触ると痛くないとの事でOKです。合わせて首の付け根の硬くなって矯正して関節まわりを弾力のあるように動きをつけていきます。

ここで座っていただいて、もう一度顔を上げてもらうと80°くらいまでスムーズに上がりました。首のコリはすっきりされてとの事で、最後に首の付け根を緩める体操をお伝えして終了です。体操を日々やっていただくと頭がきれいに背骨にまっすぐ乗る状態に徐々になっていきますので、首のコリがだいぶ改善されるでしょう。

 

・症例② <頚椎症 腕・手の痛み、しびれ> (42才・男性・会社員>

左の肩甲骨の内側・腕から指先まで痛みとしびれがあり来院。頸椎の検査をすると痛みの陽性反応があり、しびれの範囲と含めて6番目の頸椎から出ている神経症状と考えられます。

仕事中長時間のデスクワークや就寝中などに痛みが出てくるとの事で、触診すると6・7頸椎と

1胸椎が左側に捻じれた状態で硬くなっています。さらに前後に頭を動かしてもらうと先ほどの

頸椎の関節が噛んだ様に間隔が狭くなって動かない状態です。

 

⇒施術・・まず骨盤から胸椎まで関節の歪みを矯正しつつ、肩甲骨・胸椎周辺の筋肉の状態の様子を見ながら整えていきます。初回でまだ症状がきつい場合は同じ姿勢が続くと痛み・しびれが

出てくる場合があるので、まず重要なポイントを整えていきます。頸椎の歪みをアクティベーターで矯正した後、仰向けになってもらいます。首の筋肉のバランスをまず整えていきます。しばらく仰向けでいると、少し神経症状が出てきだしましたので、ここで問題を起こしている頸椎の関節を開けていきます。「今、痛みがスッとなくなりました。」との事でしたので、その頸椎の上下も合わせて調整しました。

1回目はここまでで、施術後の症状は肩甲骨から腕のラインは痛みがだいぶ減っており、肘から

指先はまだジワっとしびれがあるとの事です。頚椎症の施術後の経過で神経症状は次の日に改善具合がみられる場合がありますので、その旨お伝えして終了しました。

2回目は1週間後。前回の次の日、肘から先もしびれが楽になっていましたが、指先がまだしびれが残っているとの事です。頸椎の状態は前回よりは良いですが、また関節が狭くなっています。今回は腕や鎖骨など肩の前側なども調整しながら、再度頸椎を開いていきます。最後に座って重力がかかった状態で診ると関節の開きが硬く感じますので首を動かしてもらいながら、関節を開いていきます。指先も大分楽になったとの事で、うれしいですね。3回目で指先のしびれも

完全になくなりました。そのまま今まで通りの日常を過ごされると再発の可能性がありますので

日常の姿勢や枕や筋肉の弱化などに気を付けながら月に1度体のケアをされています。

 

・症例③ <難聴> (65才・女性・主婦>

こちらのお客様は来店理由が首・肩のこりでした。猫背の姿勢が長期的で、首や肩の筋肉の緊張が慢性的なので段階的に筋緊張と姿勢を整えていこうと思います。その中で頸椎の2番目の骨の左側が大きく出っ張りを感じる捻じれがありました。アクティベーターで矯正し、周りの筋肉もゆるめていきます。2回目の施術でも前回よりはましですが左側の頸椎に歪みが出ていました。

3回目に来店された時に「最近、なぜか左の耳がすごく聞きやすくなりました。」そうなんです。頸椎の歪みの箇所は耳に関連する場所でした。2回の施術で耳のお話をしていませんでした。カイロプラクティックの発祥がまさしく「難聴の方の首の歪みの矯正で耳が聞こえやすくなった」でした。

「手首・肘」

・症例①<手首の痛み>

 (26才・女性)

来店された動機は肩こりと腰痛でしたが、施術後のチェックをしている時に、手首の状況を話されました。半年くらい前に転倒した時に手をついた時に痛みを感じた。そのままにしていたが、痛みは気にならなくなりましたが、時々手首を動かした時に痛みを感じる時があるとの事です。

 

⇒施術・・転倒した時に手のひらに小さい骨がズレる事は時々あります。骨折の場合もありますが、意外と手首の問題と思われがちです。

手のひらの骨をそれぞれ圧痛と動きを診ていきます。今回は月状骨という骨が手の甲側にズレていました。アクティベーターで骨を元の位置に戻します。触ってみると先ほどの圧痛はないとの事です。手首を動かしてもらうと、痛みがない上に可動域が増えているので動かしやすいと喜ばれました。今回の場合はすぐ改善しましたが、手はよく使う場所なので、場所によっては時間がかかる場合もありますね。

「肩甲骨・背中」

・症例①<背中痛、筋筋膜性> (54才・女性)

昨日の朝に何気なく動いた時に背中の左側にピシッと痛みが走り、段々と痛みが強くなってシップを貼って昨日はおとなしくしていたそうですが、まだ痛みがあるという事で来店されました。

痛みの箇所をお聞きすると左の肩甲骨と背骨の間に痛みが感じられます。姿勢を診ると猫背気味で腕や肩甲骨も体の前側に位置して背中は背骨を挟んで左右共に前に常に引っ張られた状態になっています。大胸筋なども緊張が感じられます。

 

⇒施術・・痛みの場所は筋筋膜性の傷んだ状態と思われるので、直接触るのは控えて、仰向けで胸や肩周りの緊張を緩めていきます。側臥位で肩甲骨の動き、特に背中側への動きをつけていきます。背中に余裕が出てきた所で背骨の歪みを矯正して可動域の増加と良い姿勢をとりやすくしていきます。首の位置も前側に倒れ気味なので背骨に乗るように整えていきます。ここで一度座っていただき背中の痛みをお聞きすると痛みは大分良くなったが、動くとまだ痛みがあるとの事ですので、操体法で動きの中で痛みが少ない動きをしていただき再度状態をお聞きすると動いた時の痛みが先ほどの半分くらいになっているとの事です。筋筋膜が傷んでいる事を考慮し、今日はここまでにします。傷んでいる箇所にテーピングを貼りさきほどの操体法をお家でやっていただくようお伝えして終了しました。

「腰」

・症例①<ギックリ腰> (56才・男性・警備員)

急患で来店されました。寒い中、外でずっと交通誘導をされていて、ふと動いた瞬間にギクッと

きて腰が伸ばせなくなったとの事で、背中を丸めて来られました。

腰の筋肉はガチガチな状態ですが、熱感はなく骨盤と下部腰椎が噛んだ様な状態で非常に動きが

制限されています。

 

⇒施術・・ギックリ腰の場合はすぐうつ伏せになってもらって施術をすると、施術後に起き上がるのがツラく再度、腰を痛めてしまう危険がありますので、今回の場合は腰椎の制限を最初に取り除くために座っての施術から始めました。何度か動いてもらいながら、ある程度腰に動きが出てきたので、今度は横向きで寝てもらい、下半身の緊張を取りながら股関節・骨盤・腰椎の関節の動きを緩めていきます。そこから今度は仰向けで寝てもらいますが、姿勢を変える動きが大分スムーズになってこられ、表情も先ほどより晴れてこられました。ここで操体法で腰の筋肉のバランスを整えながら動きを見ていきます。左右のバランスが整ってきました。今の状態ならうつ伏せも大丈夫と判断してアクティベーターの矯正とその他うつ伏せ専用の施術を手短にしまして一度、座っていただきチェックしました。大分マシとの事ですが、腰を捻じると右の仙腸関節に違和感があるという事で、再度うつ伏せで行う体操をしていただきチェックすると違和感は無く

少し驚かれました。最後に一番気になる立ち上がる動きを診ていきます。骨盤・腰椎・腰の筋肉

を立ち上がる動きに合わせて誘導をかけていきます。最後に一人で立っていただいて反応をお聞きします。「あ!いけるわ!」私もとてもうれしい瞬間です。あと普段の仕事中のケアの体操を

2つお伝えして終了です。忘れず体操してくださいね!

 

「骨盤・股関節」

・症例①<鼠径部痛> (40才・女性・デスクワーク)

昨年くらいから左側の鼠径部に徐々に違和感を感じ、ストレッチなどしてみると左の足の開きが

悪く、最近になって時々痛みを感じたりするようになって来院されました。立位の姿勢を診させていただくと一目でわかるほど骨盤が大きく歪んでおり、膝・足首にも捻じれの影響が出ています。

 

⇒施術・・骨盤の捻じれに伴う骨盤・股関節周辺の筋肉をまず緩めていきます。今回は骨盤の下にブロックを入れて自重力でゆっくり歪みを戻していきます。だいぶ歪みが整ったところで動きの硬い仙腸関節を矯正し、骨盤の弾力をつけていきます。最初はうつ伏せで骨盤の前の骨の右側がベッドから浮いていましたが、今は左右ニュートラルになりました。腰から背中を整えて、仰向けになっていただきます。膝を立てて両足を開いていただくと左側の開きがまだ悪いです。内転筋を緩めて足の開きが揃ったところで、鼠径部の詰まりを開放していきます。段々と見た目もよくなってきました。あとは膝から下の捻じれを整えて今日は終了です。鼠径部に関連して片頭痛が起きる事もあります。長年の座り方の影響があるので、通勤の時の立ち方と合わせてお伝えしました。施術後は違和感はほぼ無いとの事で股関節体操も毎日やっていただくようお伝えしました。(ほんとにやってね!)

「膝・足首」

・症例①<膝痛> (36才・女性・主婦)

最近になって時々膝に痛みを感じるとの事です。歩く時は気にならないが、階段になると違和感や痛みを感じるようです。決まって左の膝という事でまず立った姿勢を診させてもらうと、右側もありますが特に左側は股関節から膝・足首と連動してひどく内側に捻じれています。今度は横座りをしてもらうと右のお尻に重心をかけると座りやすく、反対は違和感を感じ座りにくいとのことで、先ほどの膝と捻じれと骨盤の歪みが連動しているのが分かります。

 

⇒施術・・横座りの癖がありますので、骨盤から上の腰や背中・首まで全体に歪みの連動がありますが、まず下半身の筋肉の緊張をとっていきます。太ももの外側は非常に緊張がみられます。逆に内側の筋肉は弱っている状態です。股関節・骨盤周辺も緩めていきます。右の股関節の外側に過緊張を感じます。少し股関節が外側に押し出さる圧を感じます。これは後で横向きの時に調整します。腰から首まで一通りバランスを整えてから、仰向けで今度は足首からお腹まで前側の調整を行います。よく耳にされる大腰筋なども腰椎から股関節に付着しているので、診ていきます。左側に硬さを感じます。試しに両手をバンザイしていただくと左手が少し短くなっています。大腰筋を調整して再度バンザイしてもらうと、両手の長さがそろいました。おもしろいですね。股関節・膝関節を矯正してから体操で可動域を広げていきます。ここで最初にチェックした横座りを再度診させていただきます。さきほど違和感を感じられた方もスムーズに出来るみたいですが、若干ツッパリを感じるようですので、そこから抵抗運動を行いチェックすると大丈夫との事です。膝もすごく楽になったようで何よりです。実際の階段でまた様子をみてくださいね。

今回はまだ膝関節に変形はない様ですが、また以前の座り方をこの先も続けると、症状は今回よりも段々強くなっていく事が多いですので、普段の座り方と股関節の体操をお伝えして今回は終了です。